11月24日に見た夢

中世ヨーロッパの様な石垣のテラスの上で、裸で陽気な男達が踊っていた。

細い体をクネクネと、意味不明の動きをしながら飛び跳ねていた。

「きっとコイツらは精神病患者だろう」僕は思った。

いやいや、そういう考えは良くない。精神病患者の中にも色々な人がいるのだし、何より彼等をそうだと決めつけるのは良くない。

4、5人の男達は裸足でペタペタと僕の周りを動き回っている。

なんだ?コイツらは?

ナウシカのマンガに出てきたような風貌をしている。


「『犬』だよ」と『カレ』は言った。

犬?いや、彼等は人間だ。

その時、『カレ』が動かしたのであろうか、ウィィィ…と古い機械が動く音がした。

料理を運ぶようなエレベーターが在った。この古い建物からすると、後でこの建物に住んだ人が付け足したのだろう。だがその料理用エレベーターの鉄のドアもだいぶ赤錆が付いていた。

ドアが開くと、中から女が出てきた。

汚い布をまとった女は、その場でくたりと横になった。


「きっと男達はあの女を犯すんだろう」僕はそう思った。



男達は女に近寄り、


その布を剥ぎとり、


尻を掴み、


食べた。

10月23日に見た夢

全体が真珠色したシンプルなつくりの二階建ての建物の中に僕はいた。

階段は二重構造になっていて、上へ行く人と、下へ行く人がすれ違うことはない。

僕は手にナベを持って二階に上がった。

カツンカツンと誰かが一階にに下がっている音がしたが、誰なのかは解らなかった。


二階に部屋は一つしかなく、その部屋に入ると一人の男がいた。

松任谷正隆に似た顔をした男は、恐らく先生か審査官だろう。顔は優しいが、どこか威厳がある。


僕はその男にナベに入った料理を差し出した。

ナベに入っていたのは「ぎょうざカレー」だった。


男はその味を確かめるようにぎょうざカレーを食べた。

男は僕に「この料理はどうやってつくったのか?」と訊いてきた。


僕は困った。確かにこの料理は僕が作ったものなのだが、料理した時の夢は見ていない、つまり記憶がない。


「す、炊飯ジャーで作りました。」

そう答えると、男は「そうか。」と言い、納得したようだった。




よく解らないが僕は試験に合格したらしい。

一階に下りるとき、カツンカツンと誰かが二階に上がっている音がしたが、誰なのかは解らなかった。

10月18日に見た夢

俺とそいつは洞窟の中にいた。

薄暗い中、ハッキリとは見えないが、そいつはグロテスクな容姿をしていた。

内蔵の位置が人間のそれとは違っていたし、四肢はただの肉塊みたいで、のそりのそりと動いていた。


俺は嫌悪感を示し、そいつに殴りかかった。

こいつは化け物だ。

そいつの肉塊みたいな腕のパンチで、俺はバットで殴られた様な衝撃を受けた。


殴り合う中、あることに気付いた。と言うより思い出した。


ーこの洞窟の中には俺とこいつだけだー


もしかしたら俺とこいつはこの洞窟で暮らしていたのかもしれない。


殴り合いを止め、俺はそいつに提案した。


「一緒にこの洞窟から出ないか?」

俺はこの薄暗い洞窟に嫌気がさしていたし、そいつも同意見のようだった。


俺達は洞窟から出る事にした。


俺は判っていた。

洞窟から出たら、グロテスクな容姿をしたこいつは人間達に忌み嫌われるだろうと。理由もなく殺されるかもしれないと。



洞窟にはもちろん鏡なんてなかった。


ーもしかしたら俺もこいつと同じグロテスクな容姿なのかもなー


そんな不安が頭をよぎった。

10月11日にみた夢

何人か並んでる列の中にいると、占い師だか先生だかが現れて、

「あなたの『本当に嫌いなもの』を言いなさい」と言った。


僕は困った。

うまく言葉が浮かばないまま、次々と前の人達は答えてゆく。

そろそろ自分の番だ。何か答えなくては。


とっさに隣に並んでる人の紫色のトレーナーが目に入った。

「紫」?…ああ僕は紫が嫌いだ。


…ダメだ。何か抽象的過ぎる。


ムカつく人ならいる。

「うるさい人」?「食べるときクチャクチャと音をたてる人」?「シルバーシートに座って、ケータイの電源を切らないどころか、通話してる若い女」?


…それも一時的なものだ。食べるときクチャクチャと音をたてる人だって、それ以外の時は嫌いという訳ではないのだ。


「自分」?


…あまりにもヒクツ過ぎだろう。


「嫌いな物なんてない」?


…それは、嘘だ。




そうこうしてるうちに行列はなくなり、いつの間にか先生も消えてきた。




ああ、そうだ。



僕の『本当に嫌いなもの』


それは、




「孤独」だ。


しかし誰も居なくなった白いモヤの中では、そのことを言う相手も居なかった。 

10月10日にみた夢

やたらとでかいエレベーターに僕は乗った。古い洋館の様な立派な装飾をしたやつだ。


しかし、「開」「閉」というボタンにはジャンプすればギリギリ届くものの、

その更に上にある目的階を押すボタンにはどうしても届きそうにない。



僕はエレベーターを降りた。