10月11日にみた夢

何人か並んでる列の中にいると、占い師だか先生だかが現れて、

「あなたの『本当に嫌いなもの』を言いなさい」と言った。


僕は困った。

うまく言葉が浮かばないまま、次々と前の人達は答えてゆく。

そろそろ自分の番だ。何か答えなくては。


とっさに隣に並んでる人の紫色のトレーナーが目に入った。

「紫」?…ああ僕は紫が嫌いだ。


…ダメだ。何か抽象的過ぎる。


ムカつく人ならいる。

「うるさい人」?「食べるときクチャクチャと音をたてる人」?「シルバーシートに座って、ケータイの電源を切らないどころか、通話してる若い女」?


…それも一時的なものだ。食べるときクチャクチャと音をたてる人だって、それ以外の時は嫌いという訳ではないのだ。


「自分」?


…あまりにもヒクツ過ぎだろう。


「嫌いな物なんてない」?


…それは、嘘だ。




そうこうしてるうちに行列はなくなり、いつの間にか先生も消えてきた。




ああ、そうだ。



僕の『本当に嫌いなもの』


それは、




「孤独」だ。


しかし誰も居なくなった白いモヤの中では、そのことを言う相手も居なかった。