10月18日に見た夢

俺とそいつは洞窟の中にいた。

薄暗い中、ハッキリとは見えないが、そいつはグロテスクな容姿をしていた。

内蔵の位置が人間のそれとは違っていたし、四肢はただの肉塊みたいで、のそりのそりと動いていた。


俺は嫌悪感を示し、そいつに殴りかかった。

こいつは化け物だ。

そいつの肉塊みたいな腕のパンチで、俺はバットで殴られた様な衝撃を受けた。


殴り合う中、あることに気付いた。と言うより思い出した。


ーこの洞窟の中には俺とこいつだけだー


もしかしたら俺とこいつはこの洞窟で暮らしていたのかもしれない。


殴り合いを止め、俺はそいつに提案した。


「一緒にこの洞窟から出ないか?」

俺はこの薄暗い洞窟に嫌気がさしていたし、そいつも同意見のようだった。


俺達は洞窟から出る事にした。


俺は判っていた。

洞窟から出たら、グロテスクな容姿をしたこいつは人間達に忌み嫌われるだろうと。理由もなく殺されるかもしれないと。



洞窟にはもちろん鏡なんてなかった。


ーもしかしたら俺もこいつと同じグロテスクな容姿なのかもなー


そんな不安が頭をよぎった。